日記 2022年3月29日~4月4日 花冷え

29日 火曜日

花冷え。

 

30日 水曜日

全身が疲れていて、今日は休日だということにした。

「7 days to end with you」というゲームをやってみる。難しい。

 

31日 木曜日

引き続き休日とする。だめかもしれない。

少しは読書。

 

4月1日 金曜日

新しいコーヒードリッパーが届く。一つ穴で、青地に金色のような柳色のような線が入っている。美濃焼らしい。

普段見ない棚から蟹の缶詰が出てきたので炊き込みご飯にする。おいしい。

今日も寒い。

 

2日 土曜日

今日もだめ。

島本理生「憐憫」を読んだ。『小説トリッパー』2020年冬季号所収。いい小説なので単行本になってほしい。

感情が、共感が、見えない皮膚のように存在していて、そこに手を伸ばしたり、伸ばされたりして、撫でたり、弾かれたり、擦り合わせたりして生々しく接触しているという肌感覚を、どうして私はずっとなくしていたのだろう、とまた演技に戻りながら数秒だけ考えた。ずっと、それは自分にとって永遠に失われたものだと思っていた。でも、人間同士なんて、本来、それだけが大事なのに。/私はずっと人じゃなかったのだろうか。(26頁)

この箇所があるのは前から4分目ほどだが、全体を通じて重要だと思う。柏木さんとの交流を通じて私が得たこの感覚が小説の終わりにまで(その先も?)私に持たれていて、私の動き方の基礎になっている。

読書会後、人と焼肉を食べる。

 

3日 日曜日

前半は休日とする。書類の締切が近くて情緒がだめになっている。

だめすぎるので人の見送りついでにドーナツを食べに出かける。私はドーナツが似合う人物らしい(正確にはもう少し複雑なことを言われた)。そうだったんですか。小雨の中を帰宅。

 

4日 月曜日

締切前なのに朝10時半まで寝続ける。コーヒーをいれ、昨日の帰りに買ったドーナツを食べる。

深夜、作業が終わって安心する。

日記 2022年3月22日~28日 朝

22日 火曜日

一日中冷たい雨で、用事の多い日でもあった。

午前中のうちに実家から戻ってくる。実家へも帰る感覚があるのでやや奇妙だ。途中、電車が少し止まった。珍しく朝食が早かったせいもあってか、乗り物酔いで吐き気までしてしまう。

午後は先生に研究の相談をする。その後夕方から、来年度やることになった仕事の前任者の方に引き継ぎをしてもらった。疲れて帰宅する。無理やり食事をし、今日のうちには読書などできないと思い早めに寝た。

 

23日 水曜日

朝のコーヒーはぼんやりしているうちになくなるから後で振り返るとしばしば飲んだ気がしない。自然と午後にも飲みたくなるが、私はカフェインに弱く飲みすぎると頭痛や動悸や吐き気がしてくることが多いため、2杯目は避けなくてはならない、という事情に少し悩んでいる。今朝もコーヒーを飲み午後は控えた。てきめんに眠れなくもなるので夜も控えなくてはならない。本当は毎晩温かいコーヒーが飲みたいなと思っている。

一日読書(研究という言い方もある)。

昼食は麻婆豆腐。好きなのでとくに何もない日でも食べる。

 

24日 木曜日

午前4時半頃に目が覚め、寝直せそうにないので起きる。破天荒の家事。シャワーを浴びコーヒーをいれ、実家からもらってきたアップルパイを朝食にする。衣類を洗濯し干す。その後本当の朝食を作り、食べ、論文を一つ読むがまだ午前10時。今日は始まり方がよかった。

午後、大学まで散歩をする。買った本を持ち帰るという目的もあった。資料室で偶然先生に会い、バイトをもらったためその場で必要な作業をする。17時頃帰宅し、残りの作業を終えて少し眠り、読書。夕飯を作り、食べる。少し読書。

 

25日 金曜日

朝9時半頃起きる。食器を洗いコーヒーをいれ読書。

夜、引越して行った人が一瞬戻ってきたので一緒にお好み焼きを食べる。キャベツの量が多すぎず作りやすかった。

時々、荒野で暮らす自分の様子を思い浮かべて悲しくなり落涙する(どうなるかわかっているのについやってしまう)。そんな感じで倫理学もしている。本当?

 

26日 土曜日

朝8時半くらいの中途半端な時間が一番起きる気にならない。早起きのうれしさもなければ寝過ぎたときの焦りもなくただ損をしたような気持ちで体を起こす。いつ起きても仕方なく起きている感覚は変わらないが。

読書会でロバート・ステッカー『分析美学入門』第4章を読む。難しい。

 

27日 日曜日

一日読書。合間合間によく眠った。ずっと家にいたので外の様子などがよくわからない。

そういえばまともな食事を取らなかった。

寝る前に「カルテット」第4話を見る。数年前のテレビドラマ。以前第7話くらいまで見たが第4話から見直すことにした。松田龍平高橋一生も好きだと思う。

 

28日 月曜日

午前5時半頃に目が覚め、やはり寝直せそうにないので起きる。朝食を作る気が起きずコンビニに出かけた。冷え込まない朝。読書し、寝直し、起きる。もう少し読書。

昼食は麻婆豆腐。好きなのでとくに何もない日でも食べる。帰ってきて少し眠り、読書。

そろそろ苦手な書類に向き合わないといけないため気落ちしている。

最近、サンボマスター「青春狂騒曲」をよく聞いている。「サンボマスターは君に語りかける」所収。まだわからないが、作家ごと好きになれそうな気がするのでベストアルバムを買ってみる。11年前のCDだ。

いらだちとか 少し位の孤独だとかは
一体それが僕等にとって何だってんだろ?

今週は小説を読まなかったなと思った。 

日記 2022年3月15日~21日 カマンベールチーズ

15日 火曜日

朝、なかなか起きられず正午近くまで眠り、やっとコーヒーをいれる。

研究が少し進んだのでいい日だった。

読書会が一つなくなってしまった。悲しいがみなさん忙しいので仕方ない。

昨日読み始めた島本理生「憐憫」を少し読み進める。『小説トリッパー』2020年冬季号所収。

 

16日 水曜日

午前3時半頃に目が覚め、寝直せなくなる。仕方ないので食器を洗いコーヒーをいれる。読書(研究という言い方もある)をする。5時間くらいやっていたら眠気が来たので寝直す。正午頃に起きる。その後も読書。

 

17日 木曜日

朝起きられず、11時頃にやっと起きる。コーヒーをいれ、カマンベールチーズを食べてしまう。一箱全部食べたが、本当は3日後のオンライン飲み会のときに食べるはずだった。

 

18日 金曜日

雨だ。一日寒かった。読書。基本的にしょんぼりしていた。

 

19日 土曜日

ここ数日まともに食事をしていないので大変よくないと思い、料理をした。

夜は雨。雨が降るのも夜になるのも不思議なことだ。

 

20日 日曜日

昨日比較的きちんと料理をして夕飯を食べたせいか、朝7時頃すっきりと起きた。

明後日先生に研究の相談をするので、その準備をする。最低限相談するだけの状態にはなりそうでよかったと思う。

夜、よくわからない(私がいるからわからなくなっているだけ)メンバーでオンラインで飲み会をする。本当だったら今日うちにみなさんを呼ぶはずだったのだが、まん延防止等重点措置がぎりぎり終わらないのでそれは流れてしまい、オンラインになる。買い直したカマンベールチーズを食べ、ブルーチーズを食べる。COEDO白を飲む。


21日 月曜日 春分の日

昼頃から一日だけ(明日の朝まで)帰省。午後はオンラインの研究会に出て、夜はラムしゃぶを食べ、赤を飲んだ。両親と弟の顔を見る。弟の来月の誕生日を今日祝っておくということで、最後にチョコレートケーキを食べた。

電車に揺られるのは疲れる。移動中、この間出た千葉雅也『現代思想入門』を少し読む。

研究会に出たが、久しぶりに、会の間ほとんどひとことも喋らないということをやってしまった。少し落ち込み、反省するが、そうならないためにはどうしたらいいかがわからない。

日記 2022年3月8日~14日 半円

8日 火曜日

朝5時頃に起きる。起きたのは寝直せそうになかったからだが、仕方ないので食器を洗いコーヒーをいれ、読書(研究という言い方もある)をする。

最近、PC上でメモをとるときconstructivismを構成主義ではなく構築主義と書くようにするという変化があったが、まだ手に馴染まず構成と構築が混在するメモになってしまう。読みにくいので一括で置き換えたりする。手書きのときはCとか書いてすませている。

江國香織ケイトウの赤、やなぎの緑」を読む。『ぬるい眠り』所収。「きらきらひかる」の後日の話だということだけ事前に知っていた。まあいい話。めちゃくちゃなことを言えば、人間関係がうまくいっているのはいいことだから。

 よく晴れた日だ。夕方になり、庭はきょうの最後の光に彩られている。
「占部くん、またヴァイオリンを弾いてくれるんでしょう?」
 笑子が言った。
「睦月はあなたのヴァイオリンがすごく好きなのよ」
 理解できない、という顔で、ちなみは僕を見る。(305頁)

終わり近くのこの場面が作品にとって大切だと思う。必ずしも望み通りではない変化にこうやって対応するのも悪くないかもしれないと思わせる。私たちは本来うまくやっていけるはずだという希望と、でもそれがただ幸運によるものにすぎないかもしれないという側面が一緒に書いてある。

沙村広明波よ聞いてくれ』第9巻を読む。
トマス・ネーゲル『哲学ってどんなこと?』を読む。

夕方、青椒肉絲をかなり適当に(レシピを尊重せず)作る。夜、日本酒を少し飲む。こんなことにお金を使っていいんだろうか。

 

9日 水曜日

氾濫した川の濁流や嵐の日の海を上から覗き込むことを想像して、その想像を維持したまま空を見ると、自分がこのまま上向きに落下し上空の強い風に飲まれて大変なことになるのではないかという考えが離れなくなる。
これは私が、鯨が大海を泳ぐ映像を見るのが怖くて苦手だったり、どこまで延びているのかわからないような広大な空間(海、空、その先など)の中に自分の体が放り出されている様子を思い浮かべるのが怖くて苦手だったりすることと関係している気がする。

今日は朝7時頃に起きた。昨日の私とは違う。食器を洗いコーヒーをいれ読書する。

ゆらゆら帝国「空洞です」を聞く。2回に1回程度の割合で私を快適にしてくれるので助かっている。好きなのかもしれない。


10日 木曜日

夕方、月が真上にあり、やや暗い青い空に白い半円をしている。私は散歩を大雑把にしてしまうが、月は例外で、よく見る。月影は視線のようだと思う。満ち欠けはまぶたのひらきぐあいに見えるので、半分くらいになっているのが落ち着いていていいと思う。片目で半目で世界を見る人。満月が二つ昇ったら凝視されているようでちょっと嫌かもしれないなと思う。

今日はとてもいいことがあったのでうれしい。麻婆豆腐と寿司を食べる。

夜、明日引越していく人の引越し準備の手伝いをする。箱に物を詰める。さみしくない?


11日 金曜日

知らない道を大雑把に散歩していたら完全に自宅との位置関係がわからなくなった。しばらく歩くと駅前に出たので解決した。昼下がり、引き続き大根の半月切りみたいな月が出ている。

江國香織「弟」を読む。『すいかの匂い』所収。人が死ぬことについての話だった。私はまだ受け止める用意がないので適当に読んだ。

今日は進捗がいまひとつだった。


12日 土曜日

朝、なぜかめちゃくちゃ眠かったが起きた。

一日読書。むずかしい。

 

13日 日曜日

読書。むずかしい。論文を作ろうとするほうの研究にも少し取り組む。むずかしい。私には価値あることは何も思いつけませんという感覚が強まる。

ケーキを食べる。「桜とダークチェリーのロールケーキ」とタルトタタン

 

14日 月曜日

朝は雨が降っていた。随分久しぶりだと思う。上がってから二人で寿司を食べに行く。その後めがねを買いに行く。少し疲れる。タリーズコーヒーで「ヨーグルト&アサイー」を飲む。

何かをもう少し読んでから寝たい。

日記 2022年3月1日~7日 バゲット

1日 火曜日

片手に水の入ったコップを持って、もう片方の手でごみをごみ箱に入れようとしたら左右を一瞬間違えてごみ箱に水をやりそうだった。

明日の朝の分のごみを出す。あまり寒くない。帰ってきてから、月を見なかったと思い、確認しに行った。曇っているせいか、月齢の関係なのか、見当たらなかった。

今日は読書(研究という言い方もある)があまりはかどらなかった。少しだけでも読むには読む。
研究と関係のない本も今日はほとんど読まなかった。西村賢太苦役列車」を少しだけ読み進める。日下部さんはいい人だ。

 

2日 水曜日

あまり何もしなかった。だめ。

苦役列車」は読み終えた。いい小説だった。読んでいてつらい小説はいい小説であることが多いと思う。しかし人には勧めづらいかもしれない。度々出てくる性に関するくだり、加えて強めの女性嫌悪の表現がこの小説を人に勧めづらくさせている。
作品の中核部分と思われるところを一箇所引用くらいしておこうかと思う。

そして更には、かかえているだけで厄介極まりない、自身の並外れた劣等感より生じ来たるところの、浅ましい妬みやそねみに絶えず自我を侵蝕されながら、この先の道行きを終点まで走ってゆくことを思えば、貫多はこの世がひどく味気なくって息苦しい、一個の苦役の従事にも等しく感じられてならなかった。(文庫116頁)

世界が美しいという言葉が苦手だと思う。もちろんこの言葉を言う人がたとえば飢餓や銃撃に肯定的だとかそういうわけではないことはわかるし、もしかするとある種希望を込めた表現として言われる場合もあるかもしれないとも思う。たしかに美しい部分もあるということもわかる。わかるが、それでも総じて美しいとは言う気にならないなと思う。世界全然美しくないよと思ってしまう。私の心が狭いのかもしれない。世界が美しいと言う人は別に、大抵、世界のすべての部分が美しいだなんて思っていないだろう。

 

4日 金曜日

朝、試験を受け、夜、来週引越していく人と飲みに行った。試験の内容は事前には小論文だと聞かされていたのだが、何も論じさせられなかった。

からからに乾いた落ち葉を踏むのが好き。霜を踏むのも好きだと思う。

3合だけ飲み、眠くなり、帰って寝た。私は飲んでいるとすぐ眠くなる性質らしく、自分でもそんな気がする。

人の生活習慣が改善しつつあるという話を聞いて、よいことだと思った。自分の眠くなる時間をコントロールできることは幸福にとって重要だと思う。帰って寝たあと、私は夜中に目が覚めてしまって、それからなかなか寝付けなかった。

人の修士論文を読んで、質問をいくつか書いてメールした。5時間ほどで返信があり、回答に基本的には納得しつつ、再度疑問を書いてメールした。こういうやりとりはそれ自体楽しいなと思う。迷惑になっていないといいが。

 

5日 土曜日

2時間電車に乗った。特有の疲れがあると毎回思う。

夜、読書会でロバート・ステッカー『分析美学入門』を読む。あまり頭が働かず所々無言になってしまっていて申し訳なかったと思う。

 

6日 日曜日

出かけるため外着に着替えようと思い、いつも履いているジーパンを探したがなかなか見つからず、場所を知っているかと人に尋ねようとしたところで自分がそれを履いていることに気が付いた。

今日はあまり寒くない。近所のパン屋でバゲットを買ったら、想像した倍は長さがあって身構えた。

人生の長い間、歯磨きのからい味が苦手で何もつけずに歯磨きをしてきたが、最近、いつの間にかからい歯磨きが我慢できるようになっていた。

今日はそれなりに読書をした。

 

7日 月曜日

私はまぶたのひらいていない写真が人より多いのだが、これはたぶん、人よりまばたきの回数が多いからなのではないかと思った。任意の時刻に目をつむっている確率。

今日はそれなりに読書ができそうな気がする。